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この章では他のコントロールパネルからPleskコントロールパネルへの移行の方法を説明します。
Plesk移行マネージャは他社のコントロールパネルからPleskへの移行を簡単かつ迅速に行うために開発されました。また、Pleskの旧リリースやPleskの他のプラットフォームからの移行にも利用できます。現時点で、以下のプラットフォームをPleskに移行できます。
移行マネージャにアクセスするには、ナビゲーションペインのサーバショートカットを選択し、[移行マネージャ]をクリックします。
はじめに、移行エージェントをPleskを移行する先のリモートホストにアップロードする必要があります。これを実行するには、リモート移行モードオプションを選択したままでリモートコントロールパネルパラメータを指定します。
エージェントが指定したリモートホストにアップロードを実行し、その状態を取得します。移行プロセスを閲覧、停止できる進捗確認ページが表示されます。
移行にsudoを使用する場合、指定した一時ディレクトリをリモートホスト上で操作するのに必要なすべての権限が選択したユーザアカウントに付与されていることを確認してください。
移行エージェントは、リモートホストへのアップロードを行う際、そのホストに関する情報をPleskコントロールパネルに送信します。この情報はソースホスト情報ページに表示されます。このページで以下の必要なオプションを選択します。
[移行するオブジェクトを選択]チェックボックスをクリアにすると、リモートホストコンテンツダウンロードページが開きます。ここでは必要に応じダウンロードを閲覧、停止できます。
ダウンロードが終了すると、IPマッピングページが開きます。
[移行するオブジェクトを選択]チェックボックスを選択すると、移行進捗ページが開きます。ここでは必要に応じ移行の進捗閲覧、移行の停止ができます。
その後、移行するオブジェクト選択ページにジャンプします。このページでは、Pleskに移行するオブジェクトを選択します。
移行進捗ページ、リモートホストコンテンツのダウンロードページ、IPマッピングページのいずれかで[キャンセル]をクリックすると移行を停止できます。移行プロセス停止ページが表示されます。
移行を停止するには、リモートホストから移行エージェントを削除する必要があります。 つまり、移行プロセス停止ページで[エージェントを削除]チェックボックスを選択し[OK]をクリックします。その後、移行エージェントアップロードページに戻ります。
このチェックボックスを選択しない場合、移行は停止せず元のページに戻ります。
他のホスティングプラットフォームまたは旧バージョンのPleskからPlesk 7.5に移行したいがこの操作に追加のハードウェアを使用できない場合、以下のいずれかの方法で移行できます。
Pleskは他のコントロールパネルが実行されているマシン上にはインストールできません。この制限を克服するには、chrootのようなバーチャル環境を作成する必要があります。特別なモードでchrooted環境にPleskをインストールできます。chrooted環境にPleskをインストールすると、ホスティングプラットフォームから移行データをchrooted環境に移行できます。移行が完了した後、以前使用していたホスティングプラットフォームをシャットダウンしPleskをメインコントロールパネルとして使用できます。
ハードディスクに十分な空きのあるオペレーティングシステムを用意しPleskソフトウェアをインストールしておく必要があります。この機能を使用すると、移行エージェントが収集したデータをPleskにインポートできます。取得したデータをPleskがインストールされているハードディスクに移動し、オペレーティングシステムをリブートします。この作業が完了した後、以前使用していたホスティングプラットホームを削除できます。
chrooted環境は別のパーティションで作成することをお薦めします。Pleskのインストールとそこへのデータ移行が完了した後、rootファイルシステムとしてこのパーティションを使用できるようにするためです。chrooted環境を設定するにはスーパーユーザ権限が必要です。
chrooted環境を作成するには、2ギガバイト以上のディスク容量を持つオペレーティングシステム、Pleskのインストール、およびユーザデータを保存するためのディスク容量が必要です。
ftp://download1.sw-soft.com/Plesk/Plesk7.5/Extensionsで入手可能なchroot_tool.zipパッケージのユーティリティまたはmach (http://mach.sourceforge.net) などのサードバーティのユーティリティを使用して自分のシステムにchrooted環境を設定できます。
chrooted環境を設定する前にハードドライブにすべてのデータのバックアップをとっておくよう強くお薦めします。
Pleskをインストールする前にポート8443が使用されていないことを確認します。何らかのプログラムがこのポートを使用している場合、このポートがフリーになるよう再設定する必要があります。
chrootedディレクトリにPleskインストーラファイルをコピーします。
コマンドchroot <directory_name>を使用してchrooted環境に入ります。
変数CHROOTISH=yesの値を定義します。
CHROOTISH=yesをエクスポートします。
mysqlを以下のように設定します。
mysql_install_db
chown -R mysql /var/lib/mysql/
ネットワークに繋がずにmysqlを実行します。異なるバージョンのMySQLでは、方法が異なります。例えば、MySQLバージョン3ではコマンド“safe_mysqld --skip-network &”を使用し、バージョン4では“mysqld_safe --skip-networking &”を使用します。
Pleskインストーラを実行し、 画面上の指示に従い操作を行います。
Pleskインストールが完了した後、コントロールパネルにログインしてサーバショートカットをクリックし、[移行マネージャ]ボタンをクリックします。
データソースとしてホストを指定し、通常通り移行を行います。
移行が完了した後、サーバをリブートしchrootパーティションから起動するようにします。
"NO_RESTART_DAEMON"パラメータを/etc/psa/psa.confファイルから削除します。
すべてが問題なく処理されていることを確認してください。エラーが発生した場合、他のコントロールパネルの以前使用していたパーティションをリブートします。
chrooted環境を起動するには、以下の手順で実行します。
起動マネージャにchrooted環境を持つパーティションから起動するための項目を追加します。
例:
GRUB bootマネージャがインストールされているFedora Core 2オペレーティングシステムでの設定を見てみましょう。
/boot/grub/ディレクトリを開きます。
コマンドfdisk -1を使用してchrooted環境が設定されている場所を確認します。
Disk /dev/sda: 2097 MB, 2097152000 bytes 128 heads, 32 sectors/track, 1000 cylinders Units = cylinders of 4096 * 512 = 2097152 bytes Device Boot Start End Blocks Id System /dev/sda1 * 1 50 102384 83 Linux /dev/sda2 51 919 1779712 83 Linux /dev/sda3 920 1000 165888 82 Linux swap Disk /dev/sdb: 2418 MB, 2418016256 bytes 255 heads, 63 sectors/track, 293 cylinders Units = cylinders of 16065 * 512 = 8225280 bytes Device Boot Start End Blocks Id System /dev/sdb1 1 293 2353491 83 Linux
ここでは、パーティション/dev/sdb1にインストールされていました。
grub.confファイルまたはmenu.listファイルをテキストエディタで開き、以下のレコードを追加します。
title Fedora Core-chroot (2.6.5-1.358)
root (hd1,0)
kernel /boot/vmlinuz-2.6.5-1.358 ro root=/dev/sdb1
initrd /boot/initrd-2.6.5-1.358.img
変更を保存します。
chrooted環境にinitail ramdiskを作成します。
Fedora Core 2での例
ディレクトリ/disk2にchrooted環境が設定されている場合を見てみましょう。
コマンドchroot /disk2を使用してchrooted環境に入ります。
initail ramdiskの現在の画像を削除します。
ls /boot/
System.map-2.6.5-1.358 initrd-2.6.5-1.358.img config-2.6.5-1.358 vmlinuz-2.6.5-1.358
rm -f /boot/initrd-2.6.5-1.358.img
新しいinitailの画像を作成します。
mkinitrd /boot/initrd-2.6.5-1.358.img 2.6.5-1.358
SuSe 9.1での例
ディレクトリ/disk2にchrooted環境が設定されている場合を見てみましょう。
コマンドchroot /disk2を使用してchrooted環境に入ります。
コマンドmkinitrdを使用してinitail ramdiskの現在の画像を削除します。
システムを再起動します。
Pleskソフトウェアがインストールされているオペレーティングシステムがある場合、Plesk移行マネージャのインポート設定機能を使用できます。
Pleskがインストールされているディスクをマウントします。
ご使用のソースホスティングプラットフォームに適した移行エージェントを選択します。移行エージェントがPleskドライブのディレクトリ/usr/local/psa/PMMに保存されます。
Pleskドライブの/usr/local/psa/PMM/varディレクトリを開き、/usr/local/psa/PMMから現在のディレクトリにエージェントをコピーします。次に、-get-statusオプション./<your platform name>.pl --get-statusで移行エージェントを起動します。
エージェントがプラットフォームに適したものであれば、オプション -dump-allを使用して設定のフルダンプができます。または、ドメインダンプ用のオプション-dump-domainsを使用して選択したエンティティのみの選択的ダンプを行ったり、-dump-accountsを使用してユーザアカウントのダンプを行うこともできます(詳細を得るには、-hオプションで移行エージェントを実行します)。例:<agent_file_name> --dump-domains=domain1, domain2, domain3…
エージェントがこの操作を終えた後、ディレクトリ/usr/local/psa/PMM/var/pmaのコンテンツを/usr/local/psa/PMM/archivesに移動し、/usr/local/psa/PMM/var/<プラットフォーム名>.xmlファイルを/usr/local/psa/PMM/var/dump.xmlに保存します。
Pleskがインストールされている場所でオペレーティングシステムをリブートします。
起動後、コントロールパネルにログインし、サーバショートカットを選択して移行マネージャボタンをクリックします。
インポート設定モードオプションを選択し、 画面上の指示に従い操作を行います。