PLESK 7.5 RELOADED

Chapter 6. Plesk移行マネージャを使用する

この章では他のコントロールパネルからPleskコントロールパネルへの移行の方法を説明します。

概要

Plesk移行マネージャは他社のコントロールパネルからPleskへの移行を簡単かつ迅速に行うために開発されました。また、Pleskの旧リリースやPleskの他のプラットフォームからの移行にも利用できます。現時点で、以下のプラットフォームをPleskに移行できます。

  • Confixx2

  • older releases of Pleskの旧リリース版およびFreeBSDまたはLinux向けのPleskプラットフォーム

  • Cobalt Raq

  • cPanel 9

移行マネージャにアクセスするには、ナビゲーションペインのサーバショートカットを選択し、[移行マネージャ]をクリックします。

他のホスティングプラットフォームからのデータを移行する

はじめに、移行エージェントをPleskを移行する先のリモートホストにアップロードする必要があります。これを実行するには、リモート移行モードオプションを選択したままでリモートコントロールパネルパラメータを指定します。

  • [ソースプラットフォーム]ドロップダウンメニューからPleskに移行するプラットフォームを選択します。

  • ソースホストを指定します。移行するサーバのIPアドレスとドメイン名、どちらを使用しても指定できます。

  • ログイン名を入力します。 "root"としてログインするか、システムでSSH経由のrootのリモートアクセスが許可されていない場合は、他のアカウント名を使用します。

  • 移行元のホストのリモートホストへのログインに使用されているパスワードを入力します。

  • rootアカウントを使用しない場合は、 sudoパスワードを指定します。

  • ソースホストの移行モジュールに使用される一時ディレクトリを指定します。

  • [次へ]をクリックします。

エージェントが指定したリモートホストにアップロードを実行し、その状態を取得します。移行プロセスを閲覧、停止できる進捗確認ページが表示されます。

移行にsudoを使用する場合、指定した一時ディレクトリをリモートホスト上で操作するのに必要なすべての権限が選択したユーザアカウントに付与されていることを確認してください。

ソースホスト情報を閲覧する

移行エージェントは、リモートホストへのアップロードを行う際、そのホストに関する情報をPleskコントロールパネルに送信します。この情報はソースホスト情報ページに表示されます。このページで以下の必要なオプションを選択します。

  • すべてのオブジェクトをリモートホストからPleskに移行する場合は、[移行するオブジェクトを選択]チェックボックスをクリアにします。

  • 特定のオブジェクトのみをリモートホストからPleskに移行する場合は、[移行するオブジェクトを選択]チェックボックスをチェックします。

  • 移行をキャンセルするには[キャンセル]をクリックします。

すべてのオブジェクトを移行する

[移行するオブジェクトを選択]チェックボックスをクリアにすると、リモートホストコンテンツダウンロードページが開きます。ここでは必要に応じダウンロードを閲覧、停止できます。

ダウンロードが終了すると、IPマッピングページが開きます。

IPマッピング

IPマッピングページでは、Pleskに移行するホストのすべてのIPアドレスとこのホストが移行する先のPleskのすべてのIPアドレスが表示されます。

このページでは、

  • リモートホストIPアドレスをマップする先のPlesk IPアドレスを選択します。

    注:1つのPlesk IPアドレスにリモートホストのすべてのIPアドレスをマップできます。

  • 移行を続行するには[移行]、キャンセルするには[キャンセル]をクリックします。

移行結果を閲覧する

リモートホストオブジェクトが移行されると、移行結果ページが開き、移行の結果を閲覧できます。移行が成功した旨のメッセージ、またはエラーメッセージが表示され、移行プロセス中に何らかのエラーが発生した場合、そのエラーにより移行に失敗したオブジェクトのリストが表示されます。

[完了]をクリックして移行を完了します。

移行するオブジェクトを選択する

[移行するオブジェクトを選択]チェックボックスを選択すると、移行進捗ページが開きます。ここでは必要に応じ移行の進捗閲覧、移行の停止ができます。

その後、移行するオブジェクト選択ページにジャンプします。このページでは、Pleskに移行するオブジェクトを選択します。

  • [アカウント]タブを選択し、該当するチェックボックスをクリックして移行するアカウントを指定し、[移行]をクリックします。

  • [ドメイン]タブを選択し、該当するチェックボックスをクリックして移行するドメインを指定し、[移行]をクリックします。

  • 移行をキャンセルするには[キャンセル]をクリックします。

アカウントを移行する

移行するアカウントを選択すると、リモートホストコンテンツダウンロードページが開きます。ここでは必要に応じダウンロードを閲覧、停止できます。

ダウンロードが終了すると、IPマッピングページが開きます。

ドメインを移行する

移行するドメインを選択すると、移行するドメインのクライアントアカウント選択ページにジャンプします。

このページでは、

  • リモートホストの選択したドメインを移行する先のPleskクライアントアカウントを選択します。

  • 移行を続行するには[移行]、キャンセルするには[キャンセル]をクリックします。

移行の続行を選択すると、IPマッピングページが開きます。

IPマッピング

IPマッピングページでは、Pleskに移行するホストのすべてのIPアドレスとこのホストが移行する先のPleskのすべてのIPアドレスが表示されます。

このページでは、

  • リモートホストIPアドレスをマップする先のPlesk IPアドレスを選択します。

    注:1つのPlesk IPアドレスにリモートホストのすべてのIPアドレスをマップできます。

  • 移行を続行するには[移行]、キャンセルするには[キャンセル]をクリックします。

移行結果を閲覧する

リモートホストオブジェクトが移行されると、移行結果ページが開き、移行の結果を閲覧できます。移行が成功した旨のメッセージ、またはエラーメッセージが表示され、移行プロセス中に何らかのエラーが発生した場合、そのエラーにより移行に失敗したオブジェクトのリストが表示されます。

[完了]をクリックして移行を完了します。

移行を停止する

移行進捗ページ、リモートホストコンテンツのダウンロードページ、IPマッピングページのいずれかで[キャンセル]をクリックすると移行を停止できます。移行プロセス停止ページが表示されます。

移行を停止するには、リモートホストから移行エージェントを削除する必要があります。 つまり、移行プロセス停止ページで[エージェントを削除]チェックボックスを選択し[OK]をクリックします。その後、移行エージェントアップロードページに戻ります。

このチェックボックスを選択しない場合、移行は停止せず元のページに戻ります。

1つのサーバ内でデータを移行する

他のホスティングプラットフォームまたは旧バージョンのPleskからPlesk 7.5に移行したいがこの操作に追加のハードウェアを使用できない場合、以下のいずれかの方法で移行できます。

  1. chrooted環境を使用して移行。

    Pleskは他のコントロールパネルが実行されているマシン上にはインストールできません。この制限を克服するには、chrootのようなバーチャル環境を作成する必要があります。特別なモードでchrooted環境にPleskをインストールできます。chrooted環境にPleskをインストールすると、ホスティングプラットフォームから移行データをchrooted環境に移行できます。移行が完了した後、以前使用していたホスティングプラットフォームをシャットダウンしPleskをメインコントロールパネルとして使用できます。

  2. 移行マネージャのデータインポート機能を使用。

    ハードディスクに十分な空きのあるオペレーティングシステムを用意しPleskソフトウェアをインストールしておく必要があります。この機能を使用すると、移行エージェントが収集したデータをPleskにインポートできます。取得したデータをPleskがインストールされているハードディスクに移動し、オペレーティングシステムをリブートします。この作業が完了した後、以前使用していたホスティングプラットホームを削除できます。

chrooted環境を利用してデータを移行する

chrooted環境は別のパーティションで作成することをお薦めします。Pleskのインストールとそこへのデータ移行が完了した後、rootファイルシステムとしてこのパーティションを使用できるようにするためです。chrooted環境を設定するにはスーパーユーザ権限が必要です。

chrooted環境を作成するには、2ギガバイト以上のディスク容量を持つオペレーティングシステム、Pleskのインストール、およびユーザデータを保存するためのディスク容量が必要です。

ftp://download1.sw-soft.com/Plesk/Plesk7.5/Extensionsで入手可能なchroot_tool.zipパッケージのユーティリティまたはmach (http://mach.sourceforge.net) などのサードバーティのユーティリティを使用して自分のシステムにchrooted環境を設定できます。

重要

chrooted環境を設定する前にハードドライブにすべてのデータのバックアップをとっておくよう強くお薦めします。

  1. Pleskをインストールする前にポート8443が使用されていないことを確認します。何らかのプログラムがこのポートを使用している場合、このポートがフリーになるよう再設定する必要があります。

  2. chrootedディレクトリにPleskインストーラファイルをコピーします。

  3. コマンドchroot <directory_name>を使用してchrooted環境に入ります。

  4. 変数CHROOTISH=yesの値を定義します。

    CHROOTISH=yesをエクスポートします。

  5. mysqlを以下のように設定します。

    mysql_install_db

    chown -R mysql /var/lib/mysql/

  6. ネットワークに繋がずにmysqlを実行します。異なるバージョンのMySQLでは、方法が異なります。例えば、MySQLバージョン3ではコマンド“safe_mysqld --skip-network &”を使用し、バージョン4では“mysqld_safe --skip-networking &”を使用します。

  7. Pleskインストーラを実行し、 画面上の指示に従い操作を行います。

  8. Pleskインストールが完了した後、コントロールパネルにログインしてサーバショートカットをクリックし、[移行マネージャ]ボタンをクリックします。

  9. データソースとしてホストを指定し、通常通り移行を行います。

  10. 移行が完了した後、サーバをリブートしchrootパーティションから起動するようにします。

  11. "NO_RESTART_DAEMON"パラメータを/etc/psa/psa.confファイルから削除します。

  12. すべてが問題なく処理されていることを確認してください。エラーが発生した場合、他のコントロールパネルの以前使用していたパーティションをリブートします。

chrooted環境にインストールされたオペレーティングシステムをリブートする

chrooted環境を起動するには、以下の手順で実行します。

  1. 起動マネージャにchrooted環境を持つパーティションから起動するための項目を追加します。

    例:

    GRUB bootマネージャがインストールされているFedora Core 2オペレーティングシステムでの設定を見てみましょう。

    1. /boot/grub/ディレクトリを開きます。

    2. コマンドfdisk -1を使用してchrooted環境が設定されている場所を確認します。

      Disk /dev/sda: 2097 MB, 2097152000 bytes
      128 heads, 32 sectors/track, 1000 cylinders
      Units = cylinders of 4096 * 512 = 2097152 bytes
      
      Device		Boot	Start	End	Blocks	Id	System
      /dev/sda1		*	1	50	102384	83	Linux
      /dev/sda2			51	919	1779712	83	Linux
      /dev/sda3			920	1000	165888	82	Linux swap
      
      Disk /dev/sdb: 2418 MB, 2418016256 bytes
      255 heads, 63 sectors/track, 293 cylinders
      Units = cylinders of 16065 * 512 = 8225280 bytes
      
      Device		Boot	Start	End	Blocks	Id	System
      /dev/sdb1			1	293	2353491	83	Linux
      

      ここでは、パーティション/dev/sdb1にインストールされていました。

    3. grub.confファイルまたはmenu.listファイルをテキストエディタで開き、以下のレコードを追加します。

      title Fedora Core-chroot (2.6.5-1.358)

      root (hd1,0)

      kernel /boot/vmlinuz-2.6.5-1.358 ro root=/dev/sdb1

      initrd /boot/initrd-2.6.5-1.358.img

    4. 変更を保存します。

  2. chrooted環境にinitail ramdiskを作成します。

      Fedora Core 2での例

      ディレクトリ/disk2にchrooted環境が設定されている場合を見てみましょう。

    1. コマンドchroot /disk2を使用してchrooted環境に入ります。

    2. initail ramdiskの現在の画像を削除します。

      ls /boot/

      System.map-2.6.5-1.358
      initrd-2.6.5-1.358.img
      config-2.6.5-1.358
      vmlinuz-2.6.5-1.358
      

      rm -f /boot/initrd-2.6.5-1.358.img

    3. 新しいinitailの画像を作成します。

      mkinitrd /boot/initrd-2.6.5-1.358.img 2.6.5-1.358

      SuSe 9.1での例

      ディレクトリ/disk2にchrooted環境が設定されている場合を見てみましょう。

    1. コマンドchroot /disk2を使用してchrooted環境に入ります。

    2. コマンドmkinitrdを使用してinitail ramdiskの現在の画像を削除します。

  3. システムを再起動します。

データインポートを使用する

Pleskソフトウェアがインストールされているオペレーティングシステムがある場合、Plesk移行マネージャのインポート設定機能を使用できます。

  1. Pleskがインストールされているディスクをマウントします。

  2. ご使用のソースホスティングプラットフォームに適した移行エージェントを選択します。移行エージェントがPleskドライブのディレクトリ/usr/local/psa/PMMに保存されます。

    • Confixx 1.65、2、3(実験的に) - /usr/local/psa/PMM/ConfixxX.pl
    • Ensim 3.5.x(実験的に) - /usr/local/psa/PMM/EnsimX.pl
    • Plesk 2.5.x、5.x、6.x、7.x(実験的に) - /usr/local/psa/PMM/PleskX.pl
    • Cobalt RaQ2(実験的に) - /usr/local/psa/PMM/RaQ2.pl
    • Cobalt Raq550(実験的に) - /usr/local/psa/PMM/RaQ550.pl
    • Cobalt Raq3/4(実験的に) - /usr/local/psa/PMM/RaQx.pl
    • cPanel 9(実験的に) - /usr/local/psa/PMM/cPanel9.pl

  3. Pleskドライブの/usr/local/psa/PMM/varディレクトリを開き、/usr/local/psa/PMMから現在のディレクトリにエージェントをコピーします。次に、-get-statusオプション./<your platform name>.pl --get-statusで移行エージェントを起動します。

  4. エージェントがプラットフォームに適したものであれば、オプション -dump-allを使用して設定のフルダンプができます。または、ドメインダンプ用のオプション-dump-domainsを使用して選択したエンティティのみの選択的ダンプを行ったり、-dump-accountsを使用してユーザアカウントのダンプを行うこともできます(詳細を得るには、-hオプションで移行エージェントを実行します)。例:<agent_file_name> --dump-domains=domain1, domain2, domain3…

  5. エージェントがこの操作を終えた後、ディレクトリ/usr/local/psa/PMM/var/pmaのコンテンツを/usr/local/psa/PMM/archivesに移動し、/usr/local/psa/PMM/var/<プラットフォーム名>.xmlファイルを/usr/local/psa/PMM/var/dump.xmlに保存します。

  6. Pleskがインストールされている場所でオペレーティングシステムをリブートします。

  7. 起動後、コントロールパネルにログインし、サーバショートカットを選択して移行マネージャボタンをクリックします。

  8. インポート設定モードオプションを選択し、 画面上の指示に従い操作を行います。


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